お子さまとご家族と一緒に矯正治療に取り組む
ご家族からお子さまに矯正治療を勧めるときに大切なことは、ご家族が矯正の必要性をお子さまにきちんと説明できること、その意味をお子さまがきちんと理解できることです。言い換えると、お子さまに年齢にあった理解と覚悟があれば、治療がスムーズに進みます。そのためには、お子さまにとって矯正治療がどんなメリットがあるかを、はっきり伝えていただくことが大切です。矯正が必要なお子さまの場合、成長するにつれてさまざまな症状が悪化する場合があります。しかし、お子さま自身に意欲が薄い時期は、どうしても治療に支障がでます。当院では、患者さまの治療への意思がはっきりしたとき、その時点で一番適した方法を用い、ご希望に沿う形で進めていきたいと考えています。これはお子さまであっても大事な条件だと考えております。
変わってしまう生活のサポート
装置をつけますので、歯磨きがしにくくなるのは否めません。ときどきは点検してあげることや、医院で指導された歯磨きの仕方を正しくしていたら褒めてあげるなどのサポートが大切です。食事は、根菜やナッツなど硬いものが噛みにくくなるので、食べるのに時間がかかることがあります。ガムやキャラメルなどは装置を壊す原因になることもあるので避けた方が無難です。また外部からの圧迫で、装置で口の中を傷つけたり、装置自体を破損させたりすることがありますので、運動をするとき、とくに球技などは注意が必要です。ハーモニカや金管楽器など楽器の演奏がしにくくなることもあります。こうした日常生活の中で気をつけることが増え、周囲からの視線も気になってくるので、学校などへの連絡は密にし、お子さまの心身のフォローに気を配ってあげてください。
正しい歯並びを守るために
矯正治療の有無に関わらず、歯並びを悪くしないためにできる工夫があります。
- 食事は普段から左右均等に噛む
- あごに負担をかけるので頬杖はつかない
- 指や鉛筆をくわえる・かじる、唇をなめる、などの歯並びに負担をかかる癖は直す
などです。
最近は、永久歯が最初から生えないお子さまや、生えても数が足りない子、その逆に多い子も見受けられます。あごの発達が未熟だったり、口呼吸をしていたり、また硬いものを食べない食生活なども、歯の健康を考えると問題があると感じます。しかし、これもご家族の日々の観察とチェックでかなり多くのリスクを回避できるはずなのです。ときどきは「アーンして」と、スキンシップを取りながら、お子さまのお口の中をのぞいてみてはいかがでしょう。きれいな歯は一生の宝物。それを守るのは身近なご家族、特にご両親ではないでしょうか。